秋葉さまの形像
秋葉さまの形像について
秋葉さまのお姿を表現するには二つの様式がある。
第一の様式は、鳥のごとくくちばし(嘴)を有し(従って鼻はない)左右両手の外に両翼を備え、右手に剣、左手に絹索を持ち、裙を身にまとい、後背に火炎を帯び、白狐に乗っておられる。
第二の様式は、鳥の如きくちばしは無く普通のお顔であって両翼もないが、その他は前者と同様である。
また、両者いずれも不動明王のお姿によく似ている。
形像に関する言い伝え
第一の儀式は、秋葉さまの母が観音さまの三十三応身の中、迦楼羅身を夢にみて、懷胎されたという伝説と秋葉さまが越後の蔵王堂で不動護摩を修しておられるときに霊像が現れたという伝説に基づいたと思われる。
ちなみに、この迦楼羅身は八部衆の一つで、或種の鳥の名である。
この鳥は、翅羽に衆宝金色を交わる故に金翅鳥(こんじちょう)ともいう。
また、翼を張れば三百三十六万里に及ぶという。
しかしこの鳥は化身であって、かかる鳥が現実にあるわけではない。
即ちこの尊(そん)は、梵天・毘紐(びちゅう)天・大自在天の化身、あるいは文殊菩薩の化身とされている。
火焔・剣・絹索の意味
後背に火焔は、不動明王の火生三昧に住する表示であって、不動明王の智火が一切衆生の無明煩悩の障りを焼き尽くす意味を表現したものである。
剣は「如来忿怒」といって、悪心・悪魔を殺害する意、絹索は菩薩の慈悲心をもって降伏せざる悪人・悪魔などを縛る意である。